生活習慣病とビタミンC。
日本は世界一の長寿国と言われていますが、半健康、半病気の高齢者が多く、長寿ではなく単に長命にすぎません。
健康に長生きしなければ、本当の長寿国とはいえません。
特に寿命の延びに伴って生活習慣病も増加していますので、ビタミンCをしっかり摂取して、健やかな毎日を送りましょう。
生活習慣の改善が基本!
寿命の延びに伴って、ガン、心臓病、脳卒中などの生活習慣病が増え、この三大生活習慣病は、いまや死因の60%を占めるほどです。
生活習慣病は、老化ということが根底にありますが、過食・偏食・欠食、塩分・砂糖の摂り過ぎ、喫煙、アルコールの飲み過ぎ、運動不足、ストレス、過労など、日常の好ましくない生活習慣の積み重ねが大きな原因なのです。
生活習慣病は、その名のとおり、生活習慣と深く関係していますので、生活習慣・生活態度つまりはライフスタイルを改めることで予防することが出来ます。
改善や予防には、規則正しい生活、とりわけ食生活の改善が基本となります。
三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)をバランス良く、量は控えめに摂り、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素をたくさん摂取することが大切です。
さらにビタミンCを十分に摂れば、生活習慣病の予防がより確実なものに近づくでしょう。
生活習慣病は、これといった自覚症状がないことが多いので、定期的に検診を受け、日々の努力を積み重ねることが大切です。
ガンとは?
体は、何十兆という細胞から成り立っていますが、この中のある細胞が何らかの原因でガン化すると、いつくかの過程を経て、悪性の細胞になります。
そして、ゆっくりゆっくりと増え続け、次第に大きいガン(癌)の塊になります。
分子レベルで見ると、正常な細胞の中には、ガン遺伝子の基になるガン原遺伝子が入っていますが、普段は静かに眠っています。
しかし、発ガン物質などによって活性化されると、ガン遺伝子になって、細胞のガン化がはじまり、無秩序に増殖します。
ガンの大部分は、発ガン物質によるものといわれています。
特に、食物に含まれているもの、食べ合わせによって体内でできるものに気を付けなければなりません。
さらに、体内で発生する活性酸素(酸素ラジカル)にも要注意です。
この活性酸素は、細胞膜の脂質を過酸化して過酸化脂質を生じ、また、DNAやタンパク質などを攻撃してガンの原因を作るのです。
なお、広義のガン予防の為には、定期的に検診を受けて早期発見・早期治療することが大切です(二次予防)。
しかし、早期に発見して早期に治療しても、ガンそのものが減る訳ではありませんので、狭義のガン予防である、ガンにならないようにする努力が最も重要なのです(一次予防)。
食べ合わせでできる発ガン物質!
食べ合わせによっては、「ニトロソアミン」という発ガン物質ができます。
ニトロソアミンは、アミンと亜硝酸が反応してできますが、アミンや亜硝酸はそれぞれ単独では発ガン性はありません。
しかし、両者が反応してできるニトロソアミンは、強力は発ガン性を持っています。
アミンは、タンパク質の分解過程でできますので、肉や魚などのタンパク性の食品に多く含まれており、特にタラコ、スジコ、イカの燻製、イワシの油づけなどに多く含まれています。
亜硝酸は、野菜の漬物に含まれています。
野菜の中の硝酸が漬物細菌の作用で亜硝酸に変わりますので、古漬けほど多くなります。
また、マカロニ、大豆粉、イワシの干物などにも含まれており、ハムやソーセージなどの食肉・魚肉製品には、食品添加物として亜硝酸ナトリウムが加えられています。
野菜や飲み物の硝酸は、体の中に入ると、口腔や腸管で亜硝酸に変わりますので、亜硝酸を摂ったのと同じことになります。
この硝酸ないし亜硝酸を含む食品と、アミンを含む食品を同時に食べると、胃袋の中でニトロソアミンができてしまいます。
ニトロソアミンの生成を防ぐには、これらの食品の食べ合わせを避ければよいのですが、実際問題として、これらは多くの食品に含まれていますので不可能です。
ビタミンCで予防しよう!
食事の度に体内でニトロソアミンができることが判ると、ニトロソアミンの生成を防ぐためにはどうすればよいか、という研究がはじまりました。
そしてすぐに、試験管の中の実験ですが、ビタミンCが有効なことが見いだされました。
ビタミンCによって、亜硝酸が酸化窒素に還元されて、アミンのニトロソ化反応が阻害されたのです。
次いで、動物実験が行なわれ、生体におけるニトロソアミンの生成阻止が示されました。
そして、人の体内におけるビタミンCの有効性も実証されたのです。
人にビートジュースを飲ませると、これに含まれる硝酸が亜硝酸に変わり、次にアミンの代用としてプロリンを服用させると、ニトソロアミンが生成します。
この時、同時にビタミンCを摂取させるとニトロソアミンの生成が完全に防がれます。
人の胃や腸管などで、ビタミンCがニトロソアミンの生成を効果的に防ぐということは、いまや医学常識となっていることのです。
ビタミンCと生活習慣病!
ビタミンCはニトロソアミンに働きかけ、発ガン性をなくしたり、弱めたりすることが出来るのは、上記で紹介しているとおりですが、さらにニトロソアミン以外の発ガン性物質に作用することがあります。
近年では、ガンの原因として活性酸素、フリーラジカル、過酸化脂質が重視されています。
活性酸素やラジカルによるDNAの損傷や脂質の過酸化がガン化の引き金になるのです。
また、発ガン物質の中には、酸化されて活性化するものもあります。
ビタミンCのラジカル捕捉作用・抗酸化作用は細胞のガン化を防ぎ、予防に重要です。
また、ビタミンCの抗酸化作用は、ガンの予防に関わっているビタミンEの再生にも関与していますので、ガン予防に重要な役割を持っている成分なのです。
さらにビタミンCには、LDLコレステロールと中性脂肪を減少させ、他方、善玉であるHDLコレステロールを増加させますので、冠状動脈を拡張し、血液の流れをスムーズにします。
また、血圧の上昇を抑える働きなどもあり、心臓病や脳卒中の予防にも役立ちます。
ビタミンCの詳しい働きについてはこちらのビタミンCの効能をご覧下さい。
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